米国の次世代戦闘機が件が揉めているが、そもそもドクトリンがなんとも言えない感じになっているからな。人命が異様に高価になってしまったので、うかつに総力戦をできなくなってしまった。

これまでの戦訓を考えると、「必要なときに必要な時間だけ必要な戦域において制空権を確保する」ということが完全に馬鹿げているんだが、軌道空間や電子空間での制圧力を考えるとそういう発想もあるのかもしれない。

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しかし、結局のところ、歩兵が直接的に敵国の領土を占拠している状態を勝利と判定できないと考えると、制空権に関する考え方は妥当とは言える。歩兵、というよりは火力を担保する砲兵を展開する必要が必ずしもないのであれば航空支配は必要がない。ただ、同じようにモンロー主義に米国が傾いたときは大規模な陸戦が起きるので、矛盾しているんだよな。

敵国の司令部や通信網を直接的に叩く、というドクトリンはイラク戦争のような、「ちゃんとした相手」がいるときはよかったが、非対称戦争ではうまくいかなかった。ソビエト連邦がアフガニスタンでムジャヒディンに遭遇したときの戦訓は、現場の自律的な作戦式と火力運用が、特に地理や人心を把握できていない状態では、トップダウンの指揮よりよほどよかった、というもので、いまだにこれが重要だ。

技術的には、歩兵が迫撃砲を装備したころから前線での時間差、空間差の少ない直接的な火力投射の重要性が高まった。これは RPG を装備したムジャヒディンが異様に厄介だったことと同じ。

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