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ローマに観光に行った方はわかると思うんだが、フォロ・ロマーノに入るときに下に降っていく。すなわち周囲と比べて一段低い場所にある。何が印象的かというとそこで、要は滅びた文明というものは物理的に土に埋まるのだと。文明というものは土に埋まらないように絶えず土砂を除去するものだ、ということが心底理解された。

『カリオストロの城』で排水された湖底からローマの街が出てくるのも、宮崎駿が同じ印象を持ったからだと思う。要は滅んだものは、土に埋もれたり水に沈んだり、見えなくなってしまう。それはインフラストラクチャーを維持するという不断の努力が停止する、ということを意味する。渋谷の地下に豪雨対策のために巨大な貯水槽を建設したのと同じだ。

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