山村で暮らすようになって人類が歩んできた生活の成り立ちの原型に触れる感覚が増えた。野生動物の脅威や自然現象による物理的危険に対する構え方、ホモサピエンスとしての動物的衝動の発露や集団的防御法のひとつである共同体形成への本能的反応とか。政治への距離の取り方も実はそういうことの延長であったりする。とにかく既存のシステムへの執着の強さが尋常ではない。瞬間瞬間が極めて政治的なのだ。ヒト科が群れとして動いている実感。群れの掟を破ることは群れ全体に危機をもたらすからそういうものは全力で排除しようとする村八分もまた本能の発露。ただ如何せん、群れの個体の高齢化、個体数の減少はそれらを根本的に弱体化させることに本質的にいまだに気づけていないから、確実に地域からヒトは滅びつつあるのが現実。結論すれば、ヒト科は保守化を突き詰めれば突き詰めるほど柔軟性を失って滅びの速度を早めるということかと思う。