当方、「日本画革命」展の方は見に行きましたが、(最近福田美術館に遺贈されたという)広島県の海運王の個人コレクションからの出展という制約はあったものの、戦後の日本画における「革命」の担い手を東山魁夷(1908〜99)と加山又造(1927〜2004)に絞っていたところにキュレトリアルな冴えがあったことは指摘されるべきでしょう──この二人こそ、戦後の日本画におけるいわゆる五山(東山魁夷、加山又造、杉山寧、高山辰雄、平山郁夫)の中でも突出して批評的/危機的(critical)であるからです。
特に加山又造に関して言うと、俵屋宗達や尾形光琳などの名作を露骨なまでに本歌取りした作品── 「日本画革命」展では光琳の《紅白梅図屏風》にインスパイアされた小品が出てました(画像参照)──に顕著なのですが、近代以前の作品をそういう形で召喚することで、敗戦を経てなお国民/国家を統合・縫合するという、無意識的な政治が働いていることは否定できないわけで(そしてこの政治を逆方向から((文展→)日展のエラいさんとして)担ったのが、東山魁夷であることは、言うまでもない)
QT: https://fedibird.com/@wakalicht/110258916870867319 [参照]
ちなみに、そんな加山の弟子筋の日本画家として世に出たのが村上隆氏であることは、来年京都市京セラ美術館で予定されている氏の個展について考える上で重要な補助線になることでしょう
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/kyotocitykyoceramuseum-news-202302