Netflixの『JOY: 奇跡が生まれたとき』は光量もエモさも抑えて細部まで丁寧に撮り、機能的な語りで実話ベースの物語をきちんと撮る大変英国映画らしい英国映画になっていて、私のとても好きなやつでした。詳しい感想はあとで書きます。ジェームズ・ノートン氏は良きだなあ…

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展開や使われている音楽に触れます 

最初に流れるHere Comes the Sunの時点で掴まれた。マシュー・ハイネマンの「ニューヨーク 第1波」で回復のサインとして病院で使われていた音楽。もう大丈夫、の喜びの歌。JOY。

往年のヒット曲使いは時代を表すだけではなく。人工授精シーンでの一連の流れにはヴォーン・ウィリアムズの揚げひばりが流れ、ここで終わり、と決めたように終わったあとのエンディングにはPPMの500 Milesにのせて「彼女のこと」が語られる。冒頭の言葉が最後では実感の度合いが変わって聞こえてくる、というのは珍しくない話だけど、これだけ丁寧に積み上げてあればまあ、ぐっとくるさな…

結構センシティブなテーマなんだけど、人工授精への反発の強さと一体になっていたのが(すでに合法化されてはいたが)妊娠中絶への強い反発と同種のものだった実態を語ることで「女性の選択肢の話」に位置づけたのもクレバーだと思ったし、希望の残酷さも見せている。廊下の暗さ。痛みに対する誠実さ。

何より語り方がいい。寄り添う人であり続け、しかし本人自身は悩みに悩んでいた一人のナースと卵子クラブの女性たちがはしゃぐ海辺の波は厳しく風は強く、それでも彼女たちは本当に楽しそうに笑っていた、それがすべてだと思わせてくれた

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