蜘蛛巣城見てた、これも謡ではじめて謡で終わる系だったのかー、ジョエル・コーエン版マクベスが本当全然好きくないやつだったので(カーゼル版は割と好き、ときどきゲームのムービーに見える問題はあったが何をやるかを決めてて、やりきれていた)これはどうかなー?と思ったんだがかなり面白かった。ベルさん様と浪花千栄子様がすごすぎる。あの身体表現、人間ではなさすぎる。
上昇志向の話ではなく(そこの書き込みもナチュラルで見事なんだが)自然という物怪にやられたらなすすべはない、という角度にしてて、あの異様に長い彷徨いとか動く森のこの世のものじゃないもの(に見えてるのだからそうじゃないとね)感とか。台詞は聞き取れなくていいとはいえ「今なんて?」が連続するので多少は困りますが、まあマクベスの筋くらいはわかってみるのがいいやつとは思いますが、しかし面白かったな
最初から風の様子がおかしいし「こんなおかしな天気ははじめて」だし霧はヤバいし晴れ渡った田畑の日々は束の間で、馬が荒れ、城が荒れればネズミが逃げ、風はますます強くなり、自然という物怪の話に翻案されていたような?と考えるとき浅茅さんのヤバさ、あれは人ならざるものが愛する人のために妻に擬態して過剰に人間化してしまった自然界の何かの悲痛にもみえ、つまりベルさん様の奥行きすげえ(マジで表情動かないところの徹底的な動かなさ、登場の台詞の場面とか暗闇からヌーンのとことかたまらんかったね、それでいてあのダイナミックな衣さばき)