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『クレオの夏休み』は6歳くらいの子がどんなふうに世界を感じているか、限りなく近いところからみせてくれるのがとてもよかった。目と耳と皮膚、感覚をすませてなくても全部を全身で受け止めているのね。

アウェー感もわかっていて、ちゃんと空気も読んでいる。でもいうても、まだ6歳…幼児のわたしは無敵!万能!感からちょっと大きくなってきて「ものがわかりはじめた」とき、その境の年を設定しているのも(もう少し大きくなれば考えてわかっていく、クレオはまだ感じることがわかることと直結している)良いなと思う。すりむいた手をフーフーしてもらうこと。お風呂に入れて耳の後ろまで洗ってもらうこと。触れること、触れられることのよろこびが生きることのよろこび。

どこの国でもどんな家でも、全身を無条件に預けてくる小さな子は誰かにこのくらい愛されて、めいっぱい大好きを蓄えながら育っていってほしいという祈りにも似た優しさは、こどもさんの感じる力を信じているからこそだと思った。言葉にならなさがアニメーションで描かれているのも、こどもさんのお話にはこういう表現もあるんだなあと。

フランスのヌヌ文化はその背景に植民地主義から生まれた資本格差があって…というところまで丁寧に掬い上げながら、だからこそどこまでも優しい愛の尊さも光っていた。

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