『このろくでもない世界で』はみゃーさんが絶賛してたので見に行ったんだけど、本当に懐かしかった。1996-2000年くらいの繊細で暴力的な犯罪映画(近い印象なのは日本黒社会 LEY LINESかなー、というところでやるせなさの感じがわかると思う)と比較してみれば性暴力や児童虐待は露骨じゃないし、世紀末の邦画はもっと厭世的だったと思うんだが、それでもヤクザ者が「近い」場所で育ったハグレ少年の逃れられなさとか飛び級的に気に入られる弟分に対して明確に嫉妬する先輩とかもだけど、センチメントの形や切実さの捉え方が似ているのだ。
捌かれるまな板の上の魚。そのアラ煮(おいしそうなんだあれ)を手づかみで食べる。魚の食べ方で目をつけられる。やがて釣人と釣り針のエピソードへ。と魚の使い方がよかったな。裁かれるではなく捌かれる日がくるまでまだ死んでないだけ。
ソン・ジュンギがこの役をやるにはやや整った風貌すぎる(&幼く見える瞬間があるけど実年齢は30代後半)なのも「劇映画」にする上では効果的だったのではないだろうか。と思ったら18歳設定のヨンギュ役だったホン・サビンも今27歳なのか。義妹のキム・ヒョンソ(生身の人間として描かれた妹像、とてもよかった。「行け」の言い方素晴らしい)も、そのひとつ下くらい!へー!皆さん若々しい