『盗まれた恋』を見てました。お金がなさすぎてお腹空いたあまりに結婚大作戦に打って出る踊り子が貧乏絵描きを巻き込んだら予想よりおおごとになってさあ大変!なお話。コメディ路線にも好きなほうの市川崑とピンとこない市川崑があるんだけど、これは前者で、すっとんきょうになりすぎてなくて割とよかった。演者が観客にアイラブユーを語りかけるオープニングからチャーミング。音声と画質は良くないが(特に音質はかなり聞き取りにくい)まあ雰囲気でわかるのでOKOK

前半のサッパリした豪快なスピードに比べて後半がドラマになってシリアスまではいかないけどモタモタしてしまうのがもったいない…その割に恋が生まれる描写はいまいち。これハリウッドロマコメでもときどき起きる現象なんだよなー。そこ飛ばさないでー!

私はこの種の話はおかしいだろというスピードで最後まで突き進んでナンボだと思っているので『穴』とか『足にさわった女』とかが好きなんですよね。ロマンティックにいくなら『恋人』くらいせつないのが好きだし。久慈あさみのチャキチャキしてるようで全然割り切れてなくてあっさり翻意する純情はとても似合いと思うので綺麗にまとまってはいたけど、近頃には与太者にも教養ってのが必要なんさ!カムイン!の姉御とかやたら楽しいとこをもっと見たかったわけよー。

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『銀座の猛者』も見たのだが、こんな姿三四郎が医者だったら×酔いどれ天使の真田先生がその先輩だったらの二次創作みたいなやつだったんかい(としか言いようがない)(どういう顔して見るのがいいんだか)。話はつまらないやつなのでどうということもないですが、1949年の映画として興味深くはあります。25の「オールドメス」ヒロインの扱いー!なんだけど親が「とはいえ好きな人と添わせてやりたい」の一心だったりするのは戦後の風もあるのであろうか。あろうな。

しかし市川崑の市川崑モードを感じられるのはやっぱ和田夏十ありきなんだよなーと(いや脚本入っててもつまんないときはつまんないけど)。形の人なので粋でタフな人がついてないと野暮な話も無理くり野暮じゃなくしようとする演出が入るからウーン?それ意味ある?むしろ野暮を丁寧にするほうが傷浅くない?となっちゃうんだ私は) ドイツ表現主義風の精神病院(でやるのはやっぱ柔道なんだけど…)のとことか浮きまくりで笑う。大真面目なんだけどね…暁の追跡とかもフィルムノワールごっこしてるだけではもってなかったもんな…

60分そこらの縮尺版でも、一生懸命軽やかに現代的にしようとした痕跡はあっても、なー。

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