アルモドバル作品はそんなに得意ではないのだが『ジュリエッタ』も結構面白かった。ケア(心配)とケア(世話)の交わるところ×大いなる力、みたいな話だったのね。
インテリアの最高さは毎度なんだけど、今作のそれは特に冴えてた気がする。2つの色彩の壁の中央に配置される顔!巨大な時計!魚とホタテ柄のキッチンタイル!海が見える窓の格子の絶妙な位置!完璧な色彩のサラダとオムレツ!悪趣味なのか豪華なのかよくわからない、マドリッドのアパートメントの壁紙!
罪悪感の話としては「アルモドバル先生ってばまーた男に甘いー」と思うのだが(恋人はともかくとして父親ーっ!一方女は罪悪感を募らせ「罰を受けるべき」が連鎖する、そもそもジュリエッタの罪悪感の対象にはなんでか女は含まれてない)なんだけど、父母と息子では生じにくい関係性を母と娘で描きたい気持ちはなんとなく理解できるし、うっすら「超越的ななにかに引っ張られている」ニュアンスが出てくるのでじゃあ仕方ねーか、と思った。仕方ないよね、愛は呪いだから…