恋するプリテンダーがいいのは「どうせ幸せになるふたりの話を見る幸せ」に加えて「不幸せな人がそもそもいない」世界にあるんじゃないかなーと思って、なんかほろっとしちゃった。フィジカルギャグ多めで気が利いてるとこと鈍臭いとこのバランスは全然完璧ではない、でもこの「いい感じ」は好きだなあと思った。バンビみたいなシドニー・スウィーニー、懸念のグレン・パウエルとの年齢差も劇中言及あるし何しろグレンさんがちゃんと純情に見えるのでそんなに気にならなかった。とにかく「陽」な映画が減ってるのでこのアメコメの眩しき中庸は大事にされてってほしい。
両親たちもお姉ちゃんたちも友達も「はー、この人すきー」のパートナーと一緒でみんな幸せそうなのね。元カレ元カノも友達も良い奴でそれ以上でも以下でもないのである。なので映画自体がアッパーなんである。
まあ問題の処理の仕方はロマンティックなとこ以外はあんまり良くないし、ステイ・フレンズほどの傑作じゃないけど(あれはほら、選曲がドンピシャとまではいかずとも世代的にグッとくるものあったし…)、「恋のからさわぎ」ほどに良質なドラマはないけどさ。でもこのテンションの「見た目のよい人たちがわちゃわちゃイチャイチャしてるのたーのしー!」のなんでもなさが、今の私にはちょうどよかったのだ。