昨夜は『女系家族』見て大映だー!大映だー!と喜んでいた。大問屋の三姉妹の遺産相続をめぐるまあ凄まじい戦いの話、台詞ひとつひとつがギチギチに性格が悪くて、超流麗なキャメラ(相続したものをひとつひとつ映し出す、その画面のきっぱりとした綺麗さ、これみよがしな季節の風景などどこにも置かない豪奢)、そして圧倒的怪物的な役者力とまあめっぽう面白い。優れた女性映画は優れた男性映画になるのが常なんである。二代目鴈治郎さまと北林谷栄さまのとこ全部最高だったわねえ…
金と家と力があれば女だってそりゃパワーポリティクスやるに決まってるだろ、下々の者は人とも思わんだろ、最初から勝てない側は男も女も有利な算段のためならなんでもやるだろ、という当たり前のことをやっているのがすき。ありそうにみえて全然情念のドロドロがない、即物的なとこがいいのよな…女は怖い系の話では全然なく、どこまでも酷い話なのだが妙に爽やかなとこがある。痛めつけられるあやや様のとこは「あやや様がそのままで済ませるわけがないだろ」と思っていてもちょっとあまりにも凄まじいのでギエーッとなるが、まあ人だと思ってなければなんだってしますよ女だって人だからねえ。なんたってここは血統の国なんである。