『ビヨンド・ユートピア 脱北』は力作ではあるけど「いかにひどいか」の西欧への伝達、にとどまってしまってる気がした。スタッフには韓国の人たちもかなり関わってると思うんだけど……知らない人向け解説が多くてこれは「前提共有」の資料だよなあと。アメリカの映画である以上「資本主義陣営」が何をやってきたかを含めて我がこととしての切り結び方……そこまで望めずとも牧師さん密着に徹したものを見たかった気がする。
とはいえ実際の様子を密着ドキュメンタリーとして見せる点でやはりすごい。そもそもブローカーには一般ルートで売れない家族だから繋がれた、というのがもうなあ…(撮影クルーが一緒にいけないときはブローカーが撮る≒結局はこの映画が作れるような資本力…ということはソフトではあるが伝えられる範囲で伝えられていると思う)
そういう「よく撮ったな…」がきちんと撮れてるのと「いうても故郷なんだよ…」を残す余韻はよかった。過酷すぎる状況も断絶された社会ではユートピアと信じられていて、脱出する人たちも別にその地域を出たいと思っているわけではないが「身の危険からそうせざるをえなくなって」なのだ、ということをきちんと伝えてある。
でもここまで解説が必要なんだ…?ってことをどうしても思う。まあ、近い場所の話ってそうなんだよな…