ソルトバーン、ひっでーな!ってだけの話なんだけど面白かったなー。ひっでーな、だけなので映画として成立しうるところギリギリなんだけど、でも骨格がガシッとした性格の悪い話を見てるとその潔さに惹かれてしまう。過剰さも支配の力学ものとしてもある種の傲慢さがないと撮れないタイプの映画で、そこが魅力になってる気がした。

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監督の前作は周囲の評判イマイチで見逃してたけど、この機会にみようかな。今回のタイトルの出し方からして気の強さが見えるというか、どうもこの人は感じの悪さを恐れていないね?とニヤニヤしちゃった。映画には性格悪いなーだけで突っ走る自由だってあってほしいほうなのよね私は。フォントはタイムズニューロマン。

ベストオブベストのバリー・キオーガンをみせますぜの気合いは過去作ダイジェストの悪ノリにも見えなくないけど(あの鹿とかさー!)。でもゲロの跡だらけの洗面台とかバスタブのアレとか英国映画の悪食に美しさを見出す伝統的趣味のほうにいってる系では意外にもこれまで見たことなかったふうにも。顔がどんどん変わるしシーンごとに体型さえ変わって見える。三面鏡に映った三つの顔は同じだったけど、この人なら全部違う顔が合成なしに映りそうだなと思った。

私は知識欲もないしコモンピープルのモデルじゃねーわよ、とかウプッとなりながら吐かないとかロザムンド・パイクのノリノリでやっとんなー感も楽しかったが、謎に現れ謎に消えるだけのきゃりまりがツボでした。なんだよあれ。

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