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『アウトフィット』で「撮り方どーなのかなー、というやつでもページターナー型の脚本で役者がすごいと舞台中継的に見入っちゃうわね」とか思ってたけど『君を想い、バスに乗る』見たらやっぱ役者がすごいときは演出もちゃんと応えてるほうが脚本以上の力が出るな?と思った。『君を想い、バスに乗る』はバス内の悶着とか(いや他の乗客が気づくのに時間かかりすぎやろ)多少気になるとこがないでもないのですが、おじいちゃんの最後の旅映画(世界中でえらい本数撮られてる気がする)としてこれ以上もこれ以下もないよな、という適切さしかないコンパクトさで好きなやつでした。空も灰色、顔も灰色、いろんな人がいて、いろんな人が去る、親切な人もそうでもない人もいる、そんなことより妻が好き。みたいな感じで誰とも関係がベタつかないのがいいんだよな。肩を貸した女の子は言葉ひとつなく次のショットでは退場している。

人が棒立ちで話してるノペッとしたカットがほとんどなかったのでそれだけでホッとするし、誰かにしんみり語るとこが一切ない(のでわかるのは観客だけ)のに英国映画の美徳の伝統を感じた。最も美しい行為は傘のない見知らぬ人に自分の傘を差しかけること。そこに理由なんてなくていいのよ。

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