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「ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!」は見たことのないアニメーションでローファイとデジタルのバランス感覚は音楽にもあらわれてて、そのあたりはたいそうよかった。動く絵本を実写と融合するアプローチ(相反するようでそうとしか言えんのよ)で学園映画✖️フッドムービーをやってるのはとても楽しくて(何しろ敵の「スーパーフライ」って思い切ったことやるよね、しかも声がアイスキューブなんだからフッドムービーの志ですよ、とーちゃんと息子の話だし)ギャグのノリはすごいセス・ローゲンで(2000年代に男子映画の売り出しでグイグイきてた当初は苦手だったけどこれももう懐かしい感じになってきた)、あとブラックカルチャーにおける日本のアニメ受容のシーン観測的にもここまできてるんだー!って面白かったよ。

でもストーリーとして「もう少し先まで行けたんでは」という気もしなくはない。マジョリティにヒーローとして受け入れられる話として描くべきなのは、それはそうなんだけど、ここまでよくできてて意味が読めすぎると逆に「結局さあ…」ってとこが目立ってノイズにも思え。これは作品というよりジョン・ヒューズの時代にはジョン・ヒューズ映画に出られなかった層のジョン・ヒューズ愛という捩れの難しさそのものでもある、気がする。

だから逆説的に最低限のデリカシーだけ確保してあとはファンムービーに徹してるマリオ映画はあれはあれで(意味から自由なときほど楽しい)イルミネーションにしかできない最適解なんだよなとも。しかしセス・ローゲンは80年代のキッズの夢の極みを同年に連続であれこれやっててすごいわね。

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