ゲゲゲの謎の話。正しくない言葉を使います。
私はかなり面白く見た。物理的な血(液)を概念的な血(筋)に組み合わせるアイデアもよく出来てたと思う。戦争帰りの男でモノローグ進行のノワールをやるうえで、一部の男だけかっこよくて女がみんな悲惨なのは「そういう現実」の話だから良いと思うんだよな
今回の成功、アニメゆえ水木をあの等身にできたのがいちばんのポイントなんじゃないだろか。いや、今の実写でいちばん時代再現が難しいのは日本家屋内における人間の等身だと思うので…あと過去に他の戦争も経験した世代がご存命の頃にしか使われなかった「先の戦争」の感覚がまだ生々しかった頃の映画に学びつつ、戦後は続いているんだよをデジタル感と妖怪のデザインに顕著な筆タッチのバランスで見せるのもいい感じだった。
(じゃあ昔の映画見ればいいじゃん?という声については、同種の話だとまず間違いなく気狂い連呼されてるので、そういうのドン引きする層でもこれなら届く、届かない層に届けるための映画なんかなと)
ただ、あまりにも反家父長制とか因習村とか糸目の…(名前は出さない)とか男ふたりの…とかインターネット的にキャッチーというか居心地がよすぎるところに、なんかうっすら引っかからなくはないです。賢くてエモいけどガチの怒りには思えない感じがうっすら…