「首」見てきたわよー。どうせリアルなんて存在しないんだよと開き直った時代劇コントにも結構真面目に黒澤に取り組んでるようにも見えて、一貫性があるようなないような。どんな顔して見るのが正解なのか謎ではあるが、楽しく見た。演技トーンも演出トーンも統一されてないんだが、バラバラっとした見え方もこれについては正解に思うな、あらゆることが「まあ死にますけど」の虚無の笑いに接続されてるのでそのあたりなかなか面白いと思う。あとなんか特定ゾーンのオールスターズ!が過ぎてそのあたりも謎の面白さだった。
クィア映画だとは感じなかったんだけどクィアな映画にはなってると思う(わたしのクィア概念が合ってれば…違ったらごめんなさいです)トゥーマッチにパフォーマティブな身体が静にも動にも表現されるあたりはさすがの鋭さ。能舞台のとことかは一切笑わせてこないもんね。
わたしは武映画の「足して引いてゼロになります」みたいなとこが好きなんですが、そういう数学的感性はやや後退気味に思えたかな
鋭いとことゆるゆるなとこのバランスが変なんだよな…最初の川で流れてくる死体が矢の刺さってるほうに傾くじゃないですか、ああいうのに鋭さ感じるんだよなあ
秀吉としては侍の惚れた腫れたはよくわからん、といってはいるものの、私は登場人物全部俺、みたいな監督の心象風景の映画にも見えた。サディスティックに支配したいしマゾヒスティックに支配されたい、平気で騙すししょっちゅう騙されもする、侍も百姓も芸人も女郎たちもみんな俺。でみんな死ぬ、というか死ぬまで別の自分を殺して回らないといけない、みたいな。