ロスト・フライト、原題がplaneなんですけど、本当にplaneって映画だったので感心しちゃった。思いのほか真面目に、そっけない映画。あの娘パートがなければジャンル映画に分類しづらくなるくらい「仕事です仕事」って感じの飛行機映画。LCCの現実ー、というとこから始まってるのが妙に生々しいんだよなー。クルーや乗客の出身のバラける理由もそこと繋がってたりしてね。ひたすらに無駄を削ぎながら決して「仕事の流れ」に時間を割くことを厭わない、話運びに魅力のある映画だった。
アジア系の俳優の使い方も雑に理想化されたアジア(そのぶんロマンティックではある)なザ・クリエイターよりもだいぶ面白い気がした。アン・ヨーソンよかったな、責任感の体現者。
武装集団のコテコテさは厳しい一方、じゃあそこにぶつけるのは何かというところ、ジェームズ・ガンがスースカ(他はあんまりだけど、あれだけは好き)でやってたことにも似ているように思う。とはいえわかりやすくジンゴイスティックではないとこがタチが悪いと言えなくもないかな…とも思う。面白かったと面白いから困るんよー、のシーソー。
しかしやはり「圧倒的暴力」で上回ったもんがちの表象のえげつなさ含め、ありえなさをありえさせるプラグマティズムー、って思ってその辺も私は好きです。