『ニュー・オリンポスで』(Netflixでの配信)が求めていたフェルザン・オズペテク映画そのもの!って感じでよかったのよー。70年代に出会った男子学生ふたりが恋に落ちるも束の間、離れ離れになってそれきりに…から2010年代まで続く大河浪漫ですれ違いメロドラマなんだけど、もうこれでもかー!ってくらいにめろんめろんなのよ、堂々とめろんめろんなのよ、歌謡曲センス!それがすごく良いの…運命の恋というのはそういうものなので仕方がない、仕方がないのです…
わたしはなんでもゴースト映画っていう人ですが、オズペテクは「ありえたかもしれなさ」をゴースト化するのでまぎれもなくゴースト映画作家だと思うのよ。完璧な瞬間が訪れたふたりはお互いをゴーストにしてしまうのよ…だからラストはあれ以外ない、にもかかわらずあの瞬間息を呑んでたわね…あまりにも完璧なオズペテク映画的瞬間…
女の人たちが都合よく描かれてるようでそうでもないと思うんだよな、僕らのことをわかってくれるのはいつも女性たちだった、という敬意を感じるの。
人は忘れながら生きていくのだけど、ときとして極端な忘れられなさも抱えるのでままならない、しかしままならなさを抱えて生きていくのだ…という話がわたしは好きすぎる