ずーっと先延ばしにしてきたファスビンダー、初鑑賞は『不安は魂を食いつくす』にしました。いや普通に面白いな!てかこんな端正な作風なの?知らなんだ

元ネタはサークで2番目に好きなので、この種のメロドラマがもともと好きなのは好きなんだが、サークのそれとは大きく印象が異なる、というかなんか成瀬みたいじゃないですか。あらゆる人の動きが収支、勘定によって支配される!しかし愛あるいは情というやつだけは明朗会計とはいかぬ…みたいなさ。成瀬ほど全部が全部水のように流れていかないのでギクシャクしてるのと端々に欲望と恐怖の重なるような男性身体への視線があるのがまたこれはこれで。よい。味わい。

ところどころで出てくるじっと表情を捉えて絶妙にこちらの予想より長く、もう少し続きそうなと思った予想よりはギリギリ早く切り上げるクローズアップとか、ライティングどうやってんのな絶妙な光と影とか、フレーム内フレーム大好きなので扉の向こうからショットとか階段使いにひゃーすごい!ってなりまくるし、人物の配置の絶妙さも面白いし、あと偶然直前まで読んでいたナターシャ・ヴォーディンの本のおかげでドイツにおける異邦人の複層的なところが見えたのもよかったし(ポーランド人の夫がいた元ナチ党員の初老掃除婦という設定からして一筋縄でいかない)。満足。

フォロー

てかやっぱり構えすぎちゃってるとよくないんだよな…しかしなんか今見てよかった気もするので、映画は待ってくれるんですよやっぱり

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。