ジョン・ウィックシリーズの話。4の内容にも触れています。
「この世界はそうなっている」の作り方の変遷について。
1~2の途中まではヴァンパイア映画のヴァリアシオンだった、と思う。「現世に降りていた闇の王子の帰還」設定、あの世界ってまだ闇社会/そうじゃない社会がときどきだけ重なる別のものだったと思うんですよ。
そこから2~3で一番変わったのが、このユニバースの住人、半分くらいは殺し屋なん?という世界に変容していったことではなかろか。ともあれ3のラストでそういうユニバースであるがゆえの絶対性を持った組織を壊滅する方向なのかね?ネオとモーフィアスだし?と思ってて。
しかし予測は意外な方向に裏切られる。
今回の4ではまさかここまでというほど東アジア的なほうに振り切られるのだ。単に舞台設定や俳優のルーツだけの話でもないと思うのよね、映画全体に漂う哀しさにやたら東アジアみがあるの。
組織は絶対。主君の乱心でいくらでも兵が死ぬ社会であることに誰も疑問は抱かない。システムを変える発想は一切ない。一方で尊厳と義を傷つける仁なき主君に(ルールのなかで)牙を向くのは称賛されるべき態度とされる。
で、確かにこの方法「そのユニバース」を継続する唯一解ではある、だよな…いやどこまで狙ったのかわからんのですが…