『猫たちのアパートメント』を見ていました。昔から住んでた人たちがどんどん退去していく巨大な団地群に住み着いて、なんとなく「団地猫」になっている猫たちを取り壊しの前に移住させねば…となった住民プラス住民じゃない(けど何かしら縁がある)人たちによるプロジェクトを追うドキュメンタリー。とにかく野良猫の野良猫と思えない福福しさがすごくて(みんながエサやりしてるから毛並みもよくまんまるくなっている子が多い、人にも慣れてる)そののびやかな姿態を見ているだけでほうううとため息が漏れる。猫、それはやわらかい生き物…

ところどころクスッとするような描写が微笑ましい。なんぞ?って顔の目を見開いたカットとおじさんのテントの切り返しとか。しかし微笑ましいと見守っていられない現状が…という点は猫たちの悲劇的には描かれてない(猫はいるだけなので…)

廃墟化していく少しずつの時間の流れのほうがむしろ猫パートより無常観あって好きかも(終盤の空撮の「ああ…」感もなんだが、人がいた痕跡のある場所が映るとこのほうがより哀しいの、あれなんだろうなあ)。「変わりゆく場所」ドキュメンタリーの色彩が濃いところは猫パートがほっこりに引っ張られがちなところでスパイスになってる。いや猫は最高なのだが、猫もの(?)としてはちょっと曖昧な感じかも

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ちゃんとした猫飼いの人はちょっと違和感持つかもしれない(外飼許容するというか「飼い猫になれる資質のある子は飼い主を見つけてもらわれていくのもあり」何だけど、それを優先しているというわけではない。「なるべく手術だけはして、そのまま安全なところに群れごと移動させる」ということに重きを置いている…というのをあんまり解説しないので「そうなの?」ってなった)。のだけど、これも一つの考え方なのかなと思う。

私は多少社会(というか行政)が入っていったん地域猫として守れる仕組みを作るほうが現状を一気に変えられない以上最低限のラインは守れると思うが、地域猫の取り組みもやるもんじゃねえ外飼厳禁やぞ責任持って家見つけたれよ派もいるはずだし、でも多分この映画で撮られている団体ははそういう価値観じゃないのね。みたいなことが伺われた。そしてそのあたりで意見が割れているのもそうなんだろうなと思った。

そしてそんなことには全然関係なく、家にいようが外にいようが、猫は人間に所有できる領域にはいないのである。猫は猫なのである…何なんだホントあの生き物。ねこー

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