今日はずっと姫とホモソーシャル読んでたんですけど、私にとってはこの指摘はすごく大事だよな…と思うことが多く、しかしこれを言われたくない人も多かろうな、とも思う本だった。鷲谷先生はスタンスがまつおかさんに通じる人だと思うのだよな。

フェミニズム批評的なポイントは押さえつつ、かつパターン化された語りに回収されない画面と言葉をよく見て語る自分の言葉を普段から探しているので、勉強になるなあと思うのは今の私だからで。出てくる作品で熱狂的に好き・嫌いがなくとも耳の痛さは多少感じたくらいには、ものすごーく丁寧に痛いところをついてくる文章なので、若い頃読んでたら「なんかムカつく!」ってなってたかも、と思う。

ともあれこういう旧作邦画関連の補助線があると「どこから入っていけばいいのか」の糸口が掴めると思う。竹村和子先生の『彼女は何を視ているのか』ほど難しくないし。クィアリーディングの自然さにも注目しておきたい。

出てくる作品を見ておくことより(いやもちろん最初から最後まで、ショットの細部、セリフの詳細まで描写されるので先に見ておくに越したことはないですが!)「語られかた」を把握しておくことが重要な本かも。という点でもやっぱり私に「合ってる」タイプの本、な気がする。

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