『彼女のいない部屋』を見ていました。一応伏せるね
ゴースト映画だ!すごくゴースト映画だ!ラストカットのひとつ前カットが素晴らしい。私はこういうそこまでを通して一度もなかった視点に切り替わる瞬間がすごく好き。いるよ。の視線。
この映画が巧妙なのは「どういうことなのか」に重きを置かないこと(カードを裏返すタイミングは割と早い)で、最初からおかしいことが明示されてるんですよね。ひっくり返すのが目的ではなくて「そのあと」をひたすら追うことで彼女を世界の果てまで連れていく話なんだよなー。ふたつの世界のイメージの連続という映画らしい技法がそのままやりきれなさに切り替えられていく。フラッシュバック&(そうだったらいいのに)フォワード。願うほどには存在しないものを想像できない悲しみ。
凍りついた時間は永遠ではない。それはとてもとても悲しいことなんだけど、永遠ではないことが人を前に進ませる、それがどんな結末であろうと時は流れて彼女のいない部屋(良いタイトル!)が残され、現在形から過去形になり、彼女だけが現在形になる。車とピアノの使い方も面白かったんだけどグッと引き込まれたのが転調のきっかけになるミートキュートの煙草交換からで、こういうのはやはりフランス映画がうまいね
『彼女のいない部屋』を見ていました。一応伏せるね
あとオープニングクレジットがえらいかっこいいです。