放浪記を見てたよ。ちょっとモノローグおおすぎかなー、成瀬なので当然シスターフッドの一筋縄でいかなさは面白いけど…とか思ってたら終盤の飛躍にうおっとなった。かっこいい。あと出番は多くないけど絹代様よかったなあ。かーちゃん…
かーちゃんの喋ってたの瀬戸内言葉っぽかったけど、娘は微妙に違ってて、あれは偶然なのか、色んな場所に移ってたから西側(関西含まない)の言葉ちゃんぽんみたいになってるのか。どこまで狙ったのかわからないけどよかった。林芙美子の地方の娘かつ地元のない女というのは非常に重要なことだと思うので。
林芙美子も知人から葬式ですらいい人だったと言われない女として有名なわけだが、その不貞腐れむきだしの気持ちの良くないグジグジしたとこ全開なのがよい。「わたしはわたしを好きな人は好きじゃないんじゃ」性の強い面倒なとこ、いい加減で雑で男の趣味が悪くキツい女、謝らない女のぐちゃぐちゃさ、ときどきシュールな様相(墓場そぞろ歩き)まで呈するのを生きる力の強さというほうにいかず「死ななさ」で描いてる。
でそんななかにすっと「そうやって一生懸命書いているときのおねえさんきれい」の一言が差し込まれる、その切なさ。こういう塩梅がよいのよ。
グジグジした女やずるい女やだらしない女がぼやく映画は良いものだよ