実は初めて『オルランド』見たんだけど、こんなに愉快な映画だと思ってなかったので良い意味で驚いたし見てみてよかった!音楽素晴らしいね!
越境する身体にティルダ・スウィントンを持ってきた時点で勝利みたいな映画かと思ってたけどむしろ「そうである以上、それ以上でやらなくては」の志が凄い。この豪華さはただごとではない。第四の壁破りもこのくらい丁寧にやってればものすごく意味がうまれるのだなあ。わたしがわたしであること、それ以上でも以下でもないの宣言としての視線。
世界をバイナリではない、しかし社会のありようがそうである以上の規範からの思考の逃れられなさ、超越する身体をもってしても350年の経過をもってしてもまだここ、のシニカルなユーモアが通底してるのだが、サッと次にいく展開で意外なくらい苦味がないのね。気持ち良いくらいさっぱりとあっけらかんと飛翔してしまう。その軽やかさがよい。
テーマ的な今日性もあるし、この種のゴージャスさはついぞ見られなくなってる世の中なので、そろそろ再上映されそうな気がするな。
350年でなく400年か。オルランドの前にはたいした差でもないか。
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