語るうえの
主に自分や自分と似た気質の人を見てきて思うのだけれど、自分に関心が向きすぎるとかなり病みやすくなる。
2000年代くらいまでの社会は職場や地域などのめんどくせえが強固なコミュニティがあり、そこで生きるためには常に周囲と上下に関心を持つ必要があった。
しかし、そういった紐帯も解体が進んだ結果、自分に過剰に興味関心を持てる可能性が増えた。
教育もそのような方向に進んだし。
自分に注目していると、かなり被害妄想的になったり小さな苦痛を巨大に感じたりする。
これは多くの人の実体験だろう。
しかし時計の針を逆に進めることはできないので、現在の社会で「いかに自分以外に関心を向けるか」、というテーマをここ数年はずっと問うている。
けっこうむずい。
これはブーレーズ・パスカルの問いの延長線上にある。
國分先生の議論はとても面白かったが、私には満足できるものではなかった。
となると、自分で問う以外ないのだ。