それぞれがそれぞれの生活で手一杯だ。なのに人の悩みごとを心配する人々が存在する、というのはずっと不思議だったが、どうやら人類には古今東西そういう奇特な人々が一定数存在するらしい。
てかまあそこまで特殊なものでもないのかもしれない。でなければ人類がここまで物語というものに興味をしめしていないだろうから。
しかし自分自身に関わるイシューで手一杯なので、だいたいは他人の話というのは消費物になる。ゴシップなんかはそういう心理を適当に消費するに最適なもんなんだろう。
たとえばガザなどでパレスチナの人々が直面する苦痛を断片的にでも知ってしまうと、知らなかったフリはできないけれど、それがあまりにも圧倒的だともう抱えきれないので感じない事にする。そうやって背を向ける。
他人がやっていることならば非難もできるが、その加害を自分自身が知らない所であっても関わっていたのならばどうか。その知らないフリを強化させる。そして本当に認知しなくなる。
そうして卑怯者は卑怯者たるべくして卑怯者になる。
しかし時は止まらない。壊れてしまえばいいのに、と願っても一気にドカンと壊れることもなく、しずしずと変化してゆく。
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たとえばガザなどでパレスチナの人々が直面する苦痛を断片的にでも知ってしまうと、知らなかったフリはできないけれど、それがあまりにも圧倒的だともう抱えきれないので感じない事にする。
そうやって背を向ける。