注意・映画のネタバレあり
黒澤明の『天国と地獄』は名作と言われているが、私は相当問題がある内容だと思っていて、警察は何をやっても許されるのかと呆れながら見た記憶がある。何しろ誘拐事件の犯人を特定しながら、誘拐くらいでは大した罪に問えないからと捕まえずに泳がせて、見事殺人を犯したところで逮捕するのだ。こんなの有り?さらに、犯人をおびき出すためにマスコミに誤情報を流す場面があって、なんと記者会見で堂々と「これから皆さんに嘘を書いてもらいます!」と宣言する。すると記者連中も「そういうことなら我々も協力しないといけませんなあ」と笑いながら答えるのだが、お前らそれでもジャーナリストかよ?と問い詰めたい気分になった。しかし、この映画を批判的に語っている文章はほとんど読んだことがないのだよな。私の感覚がおかしいのだろうか?一応ひとつだけ「黒澤作品の中では『天国と地獄』だけは好きになれない」という文章を何かで読んだことがあるが、具体的な批判ではなくやんわりとぼかす書き方に留めていた。
最近の鹿児島県警の不祥事のニュースを見て、『天国と地獄』を思い出したので上の文章を書いた。きっと鹿児島県警の偉いさんも『天国と地獄』みたいに警察は何をやっても許されると思っているんだろうな。