子供の頃のおぼろげな記憶だけを基に言うのだが、能登という所は高い山もなく、非常になだらかで穏やかな土地だった。母によれば道路整備も地震の前は結構充実していたらしい。「能登はやさしや土までも」とは伊達に言われてはいないのだ。もっとも、地盤も非常に優しいものだったから、余計に地震でやられてボロボロになってしまったのかもしれない。とにかく、険しい地形の山深い過疎地域だから救助もままならないのは仕方のないことだ…という世間一般のイメージはかなり間違っていて、やはり救助の遅れは人災の側面が強かったのではないかと思う。正直、能登と比べると私の住んでいる地域の方がよほど険しい山々に囲まれている。だから、もしここで大地震に見舞われたら、もう確実に政府には見捨てられると思う。能登でさえ見捨てたような対応だったのだから。日本の西でも東でも地震が頻発している最中、非常に背筋に冷たいものを感じる。