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この夏は手や足やちんぽが漆にかぶれて悶え苦しんでいたが、そんなに苦しい思いをして何をしていたのかと言うと、この一閑人ならぬ一閑ニャン付きぐい呑みを修理していたのだった。このぐい呑み、ネットオークションで一目惚れして購入し大事に使っていたのだが、何かの拍子に猫ちゃんの首がポロッと取れてしまった。で、アロンアルファでくっつけても良いがそれでは長持ちしないだろうし、いっその事金継ぎをしてしまえと思い立った次第だ。ついでにうちにある欠けた器をまとめて金継ぎしたので(写真左の馬上杯もそのひとつだ)結構な大作業になってしまった。

ときに、金継ぎと言うと古田織部を連想するが、古田織部を描いた司馬遼太郎の短編小説『割って、城を』によると彼は男色の気があり、そのいびつな性的嗜好とわざと割って金継ぎした器を愛でるいびつな嗜好が重なるように描かれていた。この小説を読んだ当時私は高校生だったが、戦国時代には男色が異常なんていう感覚は無かったんじゃないの?とアホ高校生ですら疑問を感じた。さらに言うと、古田織部の“へうげた”茶道具趣味をグロテスクなものとしか受け取らないあたり、所詮は保守的な元産経記者の書いた小説という感じだ。まあ、司馬遼太郎の小説は歴史書以上に真実が描かれている!と持ち上げる向きも最近は少なくなったのだろうが。

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