サッカーW杯に関してカタールの人権問題の数々が言挙げされている。私もそれらは重大な問題だと思うし、この問題に対する日本サッカー連盟田嶋会長や細野豪志議員の態度は最悪だと思う。と同時に、スポーツはファシズムであるとか社会悪であるといった物言いにも同意できない。
戦時中、名だたる文学者たちがこぞって戦争協力作品を書いた。作曲家は軍歌を作り、映画監督は国策映画を撮った。だからと言って小説、音楽、映画はファシズムであるとは誰も言わない。しかしこれがスポーツになると平気で言える。そこにはスポーツに熱狂する大衆へのインテリによる蔑視があると思う。
スポーツでも芸術でも、人の心を動かすものにはそれを利用しようという邪悪な権力が必ずつきまとうものだ。それに対して我々が言うべきなのは「スポーツ/芸術の価値を簒奪するな」なのではないか。決して「スポーツはファシズムだ」ではない。いち阪神タイガースファンとしてそう思う。
#サッカーワールドカップ