「Blue」書いてるとき、この一作ですべてが変わるなんて思ってません、だから書き続けますよ、と啖呵を切っておいて、すぐにでもこの状況を変えられない無力さが苦しくなっている。

上記の台詞は、編集さんに改稿を求められたときに言ったもの。
誤読される可能性があるので書き直してほしい、と言われたのだけれど、そこを「わかりやすく」書き直してしまったらトランスの人の生の多様さや複雑さが消えてしまうし、単純化されたステレオタイプなトランスパーソンを描くことは差別的な言説に力を与える、トランスジェンダーに対する偏見やデマが流布している状況で、すべての人に誤解なく「わかる」ものなんて書けないけれど、作品を世に出すことはその作品が読めるようになる土壌を作ることでもあるのだから、今すぐ全部はわからなくてもいいから書き続けますよ、と話したのだった。

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「Blue」について、編集さんから(必ずしも否定的な言い方ではなかったけれど)「トランスジェンダー性や現実の問題を扱った作品ではなく、トランスジェンダーの登場人物が『出てくる』作品」「トランスジェンダーの物語ではないと批判される可能性がある」と言われたのはちょっとショックだったな。
トランスパーソンがただ「出てくる」話もたくさん必要だと思うけれど、わたしはかなり愚直にいまの、現実の問題を扱ったつもりだった。
トイレと公衆浴場の話をしないと決めていたのも抵抗のつもりだったから。

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