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『新装版 レミは生きている』平野威馬雄(ちくま文庫)
籍は日本人、父はフランス人で籍はアメリカ、という平野威馬雄が、「日本の少年少女に、ほんとうのことをわかってもらいたいと思って、この本をかきました。/おなじ人間として生まれながら、顔かたちがかわっているというだけで、差別あつかいされ、毎日、悲しい思いで暮らしている「混血児」にかわって、ぼくは、この本をかいてみました。」と書き出される自伝。
日常的に、周囲や同世代の子供、学校の教師、軍人から受けるひどい排斥や嫌がらせ。戦時中はスパイ容疑までかけられて取り調べも受けていたのが、敗戦後は手のひらを返したように白米とかを持ってやってきた憲兵たちのこと。
「あとがき」で今なおそれらは残っていて、「もう70歳をこえたおじいさんなのだが、まだ、とび出していって、理由のない冷酷な差別と、真っ向から対決しなければならないばあいが、ときどき、やってくるのである。〜だから、まだまだ、この本の役割はつづくだろう。」と書いている。
娘の平野レミによる解説、下地ローレンス吉孝の新版解説に、平野威馬雄が取り組んできたこと(米兵と日本人女性の間に生まれた子供たちを養子にしたり認知していたこと)などが書かれている。
たくさん読まれて欲しい本。

下地ローレンス吉孝さんの名前を間違えて入力してたので投稿し直しました💦すみません

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