「本当に(この陳情を)漁民が書いたの?(こんな教養深い文章を)」というのは、結構(最初の感想として)聞かれるなあとか気になるし、碧志摩めぐにフェミニズム的な批判が集まった時に反論として「(海女さんたち自身がフェミニズム的な視点から「いやだ」と思っていたという発言があったことに)海女さんがこんな視点を持つはずがない、フェミニストからの入れ知恵だ」というような言葉があって、わたしはそれに一番傷ついたんだよなあという。
地方で肉体労働をしている、一次産業は「言葉(教養)を持たない」「野蛮で未開な感覚しか持たない」という蔑視とか。私はそれに対して、反論の一つとして『浜辺の村でだれかと暮らせば』を書いたけど…、なんていうかどこからでもそうだが、「標準語で喋らない」「知的労働をしていない」「自然と共に生きる人」への眼差しの、その乱暴さはすごく感じる。