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『読むことの風』アサノタカオ サウダージ・ブックス
鎌倉の出版社の編集人アサノタカオさんのエッセイ集と詩で編んだ一冊。
ブラジルでのフィールドワークの時の思い出とか、本/本屋さんとのつながりとか、いろいろなことが静かで、感覚を撫でていくような文章で書かれていてとても良かった。
日々を生きて、たくさんの本を読んで、その本を手放して離れて、…書物のない世界で見聞きしたことを書物の溢れる世界にむかって開くということの、信頼みたいなものを感じた。感じたことを言語化するのが難しいんだけど、この本にはたぶん詩とか一冊の本とか、そういう応答の形が適しているのだろうと思った。「ことば」にならないものを、ことばの溢れる世界へ伝えるという行い、というか。
文章がすごくきれいで、こういう世界への眼差しを持つ人が見ている世界を少しでも受け取れたのがよかった。

ブラジルで聞き書きしていた日系の古老に、『森の生活』を贈っているところが印象的だった。

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