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『蒼茫の大地、滅ぶ』西村寿行/荒蝦夷
読み終えた。めちゃめちゃ面白かったー!バッタの大群が押し寄せた東北、農作物を食い尽くされ、恐慌が起きた時、日本政府が取ったのは棄民、東北地方切り捨てだった…。
パニック小説の体裁ではあるんだけど、強烈な、地方蔑視へのカウンターストーリーで、東日本大震災や、能登の震災のことを思い出しながら読んだ。それでもまだこの物語の中には、政権の中枢に「国民」のことを気にかける人間もいて、今の日本との差を考えて暗澹とした気持ちになってしまうところも…。
この本を復刊したのが「荒蝦夷」という出版社であることとかも同時に考える。日本書紀の言葉を引いて、つねに平定の対象/搾取の対象とされた地方の怨嗟の声が強く響いている物語だった。

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