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『もうずっと静かな嵐だ』(そらしといろ/ふらんす堂)読み終えた。とても美しい詩集で、一つずつの小さな詩が集められているけれど、全てを通して読んで一つの長い物語の詩のようにも読める。さみしさやいとおしさのむこうに、透明な、名付け/言語化未満の現象や感情に到達できたような気分になる。
私は特に、一つずつを切り取って読むなら21ページから始まる詩が好きで「淡い郷愁/わずかな詠嘆/そうして/ここも触れるには/優しすぎる場所になる」という結びに心が震えた。
なんていうんだろうな、詩から受け取ったものってすごく言葉にしてしまうと、ここにあるゆらぎを壊しちゃうようなはらはらした気持ちになるんだけど、その受け取ったものは、「言葉」とかじゃなく「手触り」とか「音(共鳴)」とかにわたしのなかでなってて、見せたりできなさそうだな、受け取ったものは、こういう言葉の形ではなくて手触りを返せる「詩」の形にしたいとそう思えるような読書だった。
とてもうつくしい詩集で、いろんなものをうけとれたことがうれしい。

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