フォロー

『野生の猛禽を診る』(Twitterに前投稿した感想)

保全について、ハンターvs保護団体という構造がストーリー的に容易で作られやすいことに対して、ハンターたちといかに情報を共有していき活動を充実させていくか(保護に積極的なハンターもいる)というところは、いままで考えたことがなかった。
「荷を引く獣たち」で「障害を負った狐が殺されてしまう」ことに筆者がショックを受けていたけど、この本では「一命は取り留めたものの障害を負った個体」を野に放つことを積極的に取り組んでいることが書かれていた。障害がある個体は自然界では「生きられない」ように思われるけど、狩りや繁殖をして、野生で生活を営んでいく。そのためのリハビリや訓練の様子が書かれているのが良かった。
私たちはただ生活しているだけで、動物たちは私たちのなかに入り込んでいるし、私たちも彼らのフィールドに入り込んでる。入り組んだ自然の中で、「人間」の立ち位置であるとか、だからこそ、取るべき距離、何ができるかを考えなければならないと思う。凄く面白くて、ときどきすごくしんどいんだけどそのしんどさから逃げたり、ただ自然を「消費する」だけでいるわけにはいかないと思い直した。読めていい本だったな。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。