甘さ控えめが丁度いい 

一つ、また一つと艶のあるチョコレート菓子が薄い唇の奥に消えていく。
跳ねる心臓を密かに押さえながら、ただその様子をじっと見つめていれば、赤い瞳が不思議そうに私を捉えた。
「どうしたの?」
薪を燃やす火のような穏やかな瞳が何となく見れなくて、視線を逸らしながら今一番知りたかった事を尋ねる。
「……味はどう?」
チョコレート菓子を渡した時は何も言わなかったけれど、聡い彼のことだ。それだけで、そのお菓子の作り主は誰か知れただろう。
「美味しいよ」
とろりと蜂蜜のような甘い声に、彼がどんな顔をしてるのかなんて見なくても分かる。むず痒くなって身動げば、ソファーが軋む音がして長い腕に捕らえられた。
「僕のために作ってくれたんだろう?」
「ち、がうわよ…皆が作れって言ったから…」
「それでも。嬉しいよ」
体を拘束する腕は優しくて、でも振りほどくことは出来ない力強さも感じる。頭上に降り注ぐ楽しそうな声は低く、大層心地良く耳に届いた。
「少し、苦くなったの。あんた甘いの好きだったじゃない」
砂糖の量を間違えたのだと伝えれば、ふうん、と軽く唸った彼は私の顎を掬い上げた。
そっと塞がれた唇が離れると、口に残るのはほろ苦い濃厚な味。やっぱり苦かったなと思う間もなく、甘く蕩けた唇に再び口を塞がれた。

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甘さ控えめが丁度いい 

@rokka_67 穏やかな時間があまあまタイムに変化するのにどきどきしてしまいました。ろっかさんのいちゃいちゃ67大好きです……!
砂糖の量を間違えたから味の心配してたのかなって思うと、7が健気でとっても可愛いです!

甘さ控えめが丁度いい 

@tukisora わーい!ありがとうございます😊
健気な7ちゃんにはご褒美をあげなきゃですので、6さんには甘々にしていただきました :blobbonethumbsup:
これでほろ苦さは帳消しですね😘

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