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異世界ものの飯は「戦後大衆食」そのものなので、もはやB級グルメと名指す必要がなくなった現状の食文化が導入されている。カツ丼とかラーメンとか。

戦後大衆食ってのは、まず洋風すげえ/大衆食堂っしょみたいな対立があり、それはたとえばナポリタンや中華そばとかのバトルで、「パスタ」を持ってくるだけでオーセンティックになるようなバトルだった。『スーパー食いしん坊』とか『ミスター味っ子』などはその時代。

その後、80−90年代に洋食の専門化が起きる。イタリアンだの本格中華だのが台頭するのはこの時代。『美味しんぼ』とか『中華一番』、『料理の鉄人』がその時代の文脈を背負っている。ナポリタンとか和製トンチキはこの時期に古びた。

00年代以後は不景気もあって、別の展開がおきる。イオンのフードコートとかB級グルメと呼ばれる形態の浸透。これが各国飯の専門化のあとでの大衆食・第二形態で、この時代は高カロリー肉体労働食の讃歌もよくあった(bro cultureっぽいノリ)。

10年代以後は、完全栄養食とかあすけんの普及もあって低カロリー路線も生まれ、セブンの「プライベートブランド」の惣菜路線なんかも活性化してるし、大衆食かつ低カロリーみたいな動きも。なろうとか飯漫画はこの時代に、高カロリー路線をレトロに盛り上げたり、飯の共同生活を打ち出すものが多いかな。

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