『クィーン・オブ・ダイアモンド』(ニナ・メンケス監督作、1990)見た。
絵の構図作るのはまあまあなんだけど、静止画みたいな絵で延々ショットを持続させすぎ。人には勧められんな…。なんかぼやっとしてた。ベガスの独身貧困女性の生を点描してて、そのざっくりしたスタイルの良さはあるにはあるが、アメリカの文芸向けだとこうなるのかなと。だいたい掴めたが、これは日本漫画で言えばつげ義春枠の大家で、つげはミニシアター映画の隠し参照になりがちだが、この路線を女性がやりきってるのがでかいんだな。

『ブレインウォッシュ』(2022)が最新作で、フェミニストや理論家も登場するドキュメンタリーか。

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『ブレインウォッシュ』見た。メッセージをシンプルにするための工夫があり、アクティビストとして効果最大化を狙ってる。ソフト化&配信されてめちゃくちゃ見られるのが一番良さそう。最後の方で「今後の希望」っぽいセレクションでノマドランドやセリーヌシアマを持ってきてるのがなるほどなと。あとは、ワンダーウーマンとかいくつかを挙げて物語のプロットだけで見るとフェミニスト評価されてるけど、肢体ねっとり映す「ボディパン」をまだ採用してるし微妙じゃね?と指摘していたり。多人種からなる映画スタッフ・元女優・映画研究者たちの声を集めているので「みんなで連帯するぞオラァ」な雰囲気が出てるのもうまい。
 黒人男性相手なら女体と同じ映し方をできる、っていうのが透けて見える点でフライシャーの『マンディンゴ』は最悪で、しかしこれ以上「支配関係が性的視線を強いる」のを示す例はないと提起されたりする。メンケスの持ってくる映画サンプルがかなり手広いので、それだけでもなかなかやりおるという感じ。あと、アニエス・ヴァルダの地位はゴダールより上がるかもなあと思った。ガスヴァンサントのある作品が男女それぞれの絡み合いの映し方を平等に割り振ってる、と指摘した直後に、まあでもこれはヴァルダの影響かもねと、まんま同じなヴァルダの元ネタ作品が出てくるw

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