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『町山智浩とライムスター宇多丸は、映画語りをどう変えたのか?前篇』と『無職が聞く、日本最強の(元)自宅警備員による「TSUTAYA時代の映画語り」』を読み終えた。

良い本だった。

新刊の無職が聞く〜の方は、対談集『オーバーザシネマ』で不明瞭だった政治的モダニズム(ロドウィック)と侵犯行為のつながりを明確にし、広い射程に繋げ直した。ここから何か本を生成できそうなアイディアが語られている。無職が聞くシリーズは、町山本とは別に展開に期待。

ジョージさんの語りも、てらいのない知的なもので、このスタイルが良い感じ。

前回出た、町山宇多丸本の前編は「00年代後半からの映画教養形成」の系統をまとめてていい本だった。現行文化のリテラシーの形態を探るものでもある。広い層に届く本になってると思う。

北村紗衣が元タマフルリスナーの強調と、通過儀礼尊重から徴兵令オッケーが町山、の指摘で麗日グッジョブ感ある。

島田裕巳からインスパイアされた町山は通過儀礼論を映画読解に盛大に用いていると整理され、また、露悪やダークヒーローものをミルトン『失楽園』モデルで把握していると概説されるわけだが、町山は、オタクコンテンツの永井豪的ミームを全て失楽園に還元すればええやろというタイプだと思えばわかりやすい。

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