先月出た岩波新書の廣野由美子『シンデレラはどこへ行ったのか』よかった。
廣野はこの数年、ジェインオースティン関連を書いてた人でしたが、今回は、シンデレラ~リチャードソン『パミラ』~オースティンまでは所詮「徳のある、控えめな女性が結婚でハッピーエンドになる話の型」として、真の契機はシャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』だろう、としてジェイン・エア以後の末裔を見て行って系譜化していく、って感じですね。

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ジェイン・エアは、(パメラ以降のこのジャンルでの定番から外れて)美人でもなく、むしろ怒りがちな少女で、義母との関係が最悪で、家を飛びてて慈善学校(大して良い学校でもなくしょぼそう)で猛勉強して、女家庭教師になるっていうキャラ。
なので、パメラ的な徳性から反転させて「自立の意志と行動」で区切るとジェイン・エアとその末裔でまとめるといい、とやってる。

ガイドっぽい書き方なので、個々の点の掘り下げはそんなにやってないが、最終章では「少年版シンデレラ」がディケンズの男主人公に多いやろ、とも書いてる

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