3月にあった吉見俊哉最終講義を今さら見たが(YouTubeで限定公開)、なかなか巧みだった。活動家にシンパシーがない人でもそれなりに説得されそうな議論。

すべて聞き終えてから最後に付された当時のニュース映画みたいな映像が挿入されるのだが、講義の後だと、そのナレーションかいかに操作的なのかがわかるようになっている(コメントを明示してないが配置でそういう意図だとわかる)。
現代の「ナチュラルな機動隊側同一化、学生運動腐し」とほとんど同じ調子がすでに実現しているのも、今だとよくわかる。

見田ゼミや新聞研の末裔であるストーリーを強調してたので(その分、東大インサイダープライドを突いて説得する技法でもありそう)、吉見が「東大における批判的知性」の看板の面があるのかと。
クリスティン・ロスの使い方もなるほどという感じだった。

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東大インサイダープライドを刺激することで説得する手でもあるんだろうけど、同時に不快になる人も出るとみた。

あと、学生側、大学学、与党、報道に「暗黙にパターナリズム問題が入る」が隠し主題だと思う(明示されていないが節々で見える)。

グローバル68年論と時代証言の充実をもって別の議論が可能とするもので、そのへんはメディア社会学の知だなと。

吉見の講義が何か決定的だとまでは思わないけど、絓や小熊を標準にする必要も二者択一にする必要もなく、これから新たな切り口が全然ありうるよなーと励まされるものではあった

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