性転化で変貌したことを姉に伝える、友達に伝える、告発相手に知られる、学校で公表する、などの段取りにやけに力を入れてる。
若さを生かした書き手は、書籍化・漫画化しても、あんまり支持を受けずに打ち切りになりやすい(マーケットのせいもあるし、編集者相当の人がいないせいもある)。
あんまり小説うまくないんだけど、じゃあタラタラとテンプレから作ってる中年が「うまい」のかというとそれも微妙なので、技術的に大差ないやろという判定。
若さは、だいたい学園内の書き方で出る。たとえば、学園内の集団秩序によるストレスの書き方のヴィヴィッドさで判別できる。中年が書くと、男女問わず、それらがごっそり抜けてなんかエロゲやラノベの手順みたいになる。
この作品、途中から結構面白くなってる。
ゲーム世界が現実に侵食してきて、ゲーム内の宗教が歴史上のキリスト教を上書きし始め、それを変化として気づける人は、加工の少ないプレイヤーアバター運用をしている人間だけだという展開になっていく。
つまりチェンソーマンマキマの世界改変陰謀論要素に近いものを使っている。
ここでその作中の宗教が「虹色の女神」なので虹色が世界を混乱させる陰謀論的な存在に配される点でLGBTQの浸透への嫌悪や疑念の土壌とも解釈できるが、同時に主人公はそれにより新たな楽しさにも目覚めているために両義性を備えている。この両義性をキープできるかどうかが問われる感じ。