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「僕が何を言わないって?」
突然後ろから声がかかって、飛び上がるほど驚いた。
少し高めの、囁くような声。
「イーサンっ!」
「やあ、ベンジー」
振り返ると、やはりそこにはIMF1ハンサムなエージェントが立っていた。
「僕のことを考えるくらい寂しかった?」
「んなっ!」
冗談だとわかっているが、それでも軽口をたたいてウィンクを飛ばす色男ぶりは心臓に悪い。
「こ、こないだお前と一緒だったときの報告書書いてたんだよっ!お、お前が出張だったから、お前のとこも書いといてやろうと思って‥っ」
「わお、ありがとうベンジー!助かるよ!」
報告書は苦し紛れの言い訳だったが、心底嬉しそうなイーサンを見ると、じゃあやってやらなくちゃという気になる。あとでAIにつっこもう。

m(_ _)m 

「そうだ、お礼に奢るから、今日飲みに行かないか?」
「えっ!いいのか?」
忙しいイーサンと飲みに行ける機会なんかあまりない。憧れのレジェンドとのサシ飲みなんて大歓迎だ!
それに、任務以外でイーサンの近くにいれば、もしかしたら夢小説のいいネタになるかも…
そんなことを考えていたら、
「うん。僕も君と飲みたかったんだ。…ふたりで、ゆっくりね」
「ひぇ…!?」
にっこり笑ったイーサンはなぜか俺の耳元でねっとりと甘く囁くようにそう言って、そのまま『あとで』と去っていった。

「えぇ…」
なんだったんだ、いまの。
夢小説のネタどころか、夢小説そのものを味わったような衝撃。とんでもなく色っぽい声が耳の中に響いていて、俺はしばらく呆けたように席に座っていた。

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