【木馬亭 十二月定席三日目】2023年12月3日(日)12:15~16:05

志乃ぶ(秀敏)「近藤勇のぼんやり女房」
すみれ(豊子)「山之内一豊の妻」
実子(秀敏)「吉良の仁吉」
勝千代(豊子)「芝浜の革財布」
~仲入り~
雪絵(鈴)「滝の白糸」
講談 昌味「太閤曽呂利」
福助(鈴)「真柄のお秀」
琴美(秀敏)「壺坂霊験記」

今日は「妻特集」ということで、全員女流の浪曲師によるいろいろな妻・夫婦の物語。まあ、もとは男がつくった演目だろうし、時代の影響もあって現代にこんな妻/女はおるかいな、という話もなくはないけれど、そこはそれ。それを男の噺家なんかがやるより嫌な感じがしないのは不思議。バラエティ豊かで全部よかった。

志乃ぶ(秀敏)「近藤勇のぼんやり女房」
時間を一時間間違えたばっかりに、最後の5分くらいしか聞けなかった。本当に申し訳ない…

すみれ(豊子)「山之内一豊の妻」
この演目は浪曲大会以来二度目。のびやかな声にすごく細かい節回し。若いけど堂々とした存在感。

実子(秀敏)「吉良の仁吉」
実子さんの啖呵(語りの部分)がすごく好き。映画のようだった。今日はヤクザ者の噺とあって、紫の極妻ルックの着物がすごく似合っていて素敵だった。

フォロー

勝千代(豊子)「芝浜の革財布」
動画では見ていたけれど、やはり生は何百倍も素晴らしい。とにかく声の圧倒的な魅力がすごい。東京ドームでもマイクがいらなそうな声量に、絶対誰にも真似できそうにない節回し。啖呵の部分もほんとに引き込まれる。筋は落語とほぼ一緒だけど、節の部分がドラマチックさをいやでも増す。シーズン初の芝浜がこれでよかった。感激。

雪絵(鈴)「滝の白糸」
いやー、おそろしいというか切ないというか悲しいというか。非業の物語。泉鏡花原作なのか。幸絵さんはこういう文芸ものがよく似合う。最初に聴いた雪おんな(ハーン)といい、次に聞いた大つごもり(樋口一葉)といい。お芝居を観ているよう。

福助(鈴)「真柄のお秀」
今日はこれが勝千代さんに次いでよかったかな。真柄のお秀ははる乃さんで2回聴いていたけど、福助さんの少しどじごしらえな感じが素朴で正直なお秀によく似合っていて、じつに可愛らしい。押しかけ女房となった先で、都はるみの「惚れちゃったんだよ」を熱唱したり(はる乃さんVerにこれはない)、そこで客席から手拍子が入ったり。楽しかった。

琴美(秀敏)「壺坂霊験記」
すべての悲劇をくつがえす観音様の霊験パワーハッピーエンドストーリー。妻は夫をいたわりつ、夫は妻に慕いつつ、の名セリフのやつ。

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