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2023年5月13日(土) 白酒・兼好二人会 昼の部@三鷹へ

めちゃくちゃ楽しい会だった。蒸かしたてのお饅頭のような白酒師と、燻しすぎた本枯れ節のようなの兼好師。外見は対照的だけど、いいコンビ。ふたりとも笑顔で明るく毒を吐くのでマクラも楽しい。この会は二度目だけど、また行きたい。

開口一番 ぼんぼり「道灌」
白酒「浮世床(将棋・芸・本)」
兼好「岸流島」
~仲入り~
兼好「夏泥」
白酒「お見立て」

白酒「浮世床(将棋・芸・本)」
ドジ者や田舎者をやらせたら、白酒師ほど強烈な人はいないというくらい、太閤記を読むゲンちゃんがコテコテに強烈。顔から何から可笑しすぎて、呼吸困難になってコンタクトレンズ外れそうになるくらいに笑った。

兼好「岸流島」
これは一度くらいしか聴いたことのない噺。舟の上の大騒ぎが目に浮かぶようで、とてもよかった。マクラで語った会津若松のユニクロの件が面白かった。ユニクロは山口発祥だから、長州嫌いの地元民はユニクロの出店に大反対。でも、いざできてみるとなんだかんだ言い訳しつつ買い物に行くが、店員も心得たもので、そういう場合はユニクロと書いてない袋に入れる……って、これ、ネタだよね? それとも?

兼好「夏泥」
泥棒噺のなかではこの「夏泥」と「締め込み」が好き。襟元に縫い付けた隠し金まで渡してやる気のいい泥棒を軽快に。これまたマクラが面白かったな。今回の銀座の強盗はひと昔前なら考えられない。銀座愛ある強盗ならばこういうふうに入るはず……という妙に具体的なシミュレーションに笑った。

白酒「お見立て」
柳家系を聞くことが多いと、なかなか出会わない噺のひとつがこのお見立てかもしれない。志ん朝師匠のCDでさんざん聞いたし、現役なら一之輔師の(これも抱腹絶倒もの)を何度か聞いているが、白酒師では初めて。もうね、やっぱり田舎者の杢兵衛さんがあまりに強烈で。店の若いもんが喜瀬川花魁に刃向かわず、いいなりで、むしろいろいろな策略に感心しちゃうところが可笑しい。テンポよく、笑いの渦に気持ちよく呑まれた。ブクブク……

一席目か二席目のマクラで白酒師が語った内容も興味深かったな。寄席でかかる噺にも流行りすたりがある。昔はとにかく「野ざらし」や(もう一席挙げたんだけど忘れちゃったw)みたいなひとりキ●ガイの噺がとにかく流行り、そのあとすたれた。そのあとは「井戸の茶碗」がやたら流行ったが、師匠の雲助師は「あんな噺、どこがおもしろいんだ」と言っていたとか。善人ばかりが出てくる噺は噺家にとって面白みがない、とも。小ずるい悪党が好きなんだ、と。それもわかるけど、でもオレは井戸茶が好きなんだよー(笑)。

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